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校長による職員室「季節の風物詩展示」
第56回のテーマ「春のめでたい食べ物-泳げ!たいやきくん-」
♪まいにち まいにち ぼくらは テッパンの 上で 焼かれて・・・♫
私が中学生時代,毎日この曲が流れていた「柿岡ショッピングセンター」のテナントにあった,
たい焼き屋さんで「買い食い」をして,自転車に乗りながらたい焼きを頬張り,
家に帰ったという懐かしい思い出があります。
ところで,市販のたい焼きには
「天(てん)然(ねん)モノ」・「養(よう)殖(しよく)モノ」
といった呼び方で分類されていることをご存じでしょうか。
たい焼きが生まれてから100年以上は経つといいますが,
その呼び名で分類されるようになったのは近年になってからだそうです。
「天然モノ」と呼ばれるたい焼きは,
一丁焼きの焼きごてのような鋳型で手焼きしたたい焼きです。
1匹1匹を丁寧に焼き上げることで,皮は薄皮でサクサクに仕上がり,
しっぽまであんこが詰まったものが多いといいます。
「天然モノ」のたい焼き店を覗いてみると,
職人が数十丁の焼き型を火床の上でガチャガチャと音をたてながら
丹精こめて直火で焼き上げます。
しかし,焼き型が2kg以上と重いので,
作り手への負担がかかることや焼くのに手間がかかることが難点です。
さらに1つの型で1匹ずつしか焼けないため,
焼きあがるまでの間が長くなり,気がついたら行列が・・・。
「天然モノ」のたい焼きはその負担から食べられる店が年々少なくなっていると聞きます。
そういう中でもこだわりの味を守り続けている老舗名店とよばれるたい焼き屋は,
根強い人気をほこっています。
一方,「養殖モノ」とよばれるたい焼きは,
一度に6匹~10匹以上を焼き上げることができる
鉄板タイプの焼き型を取り入れた大量生産型です(泳げ!たいやきくんはこのタイプ)。
作り手の負担軽減や大量販売を目的として,
生地を焼き型に流し入れて焼き,
片側にあんこをのせて両側を合わせて仕上げる方式を採用しています。
お祭りやスーパーの屋台などでよく見かけ,ある意味とても身近なたい焼きです。
細やかな火力コントロールができないため,
「天然モノ」に相対して分厚くふんわりとした皮となっています。
一度に大量に作れますが,均一な仕上がりにするため,
手早く均等にリズミカルに作業することが重要となります。
明治や大正時代に創業し
実に100年以上続いてきた老舗が中心となった名店でこだわりぬいて作られる「天然モノ」。
身近にあってバラエティに富んだ中身(あんこだけではないぞ!)が楽しめる「養殖モノ」。
2つのたい焼きは,その作り方も皮の印象もまるで違いますが,
どちらにもそれぞれの良さがあり,たい焼き文化を彩っているといえます。